○白川町動物適正飼養条例

令和元年12月17日

条例第33号

(目的)

第1条 この条例は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「法」という。)第9条に規定する必要な措置その他の事項を定めることにより、町民等の動物愛護の精神の高揚を図り、動物の健康及びその安全を保持するとともに、動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止し、並びに公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 町民等 白川町に居住し、通学し、又は通勤する個人及び白川町において事業又は活動を行う個人又は法人その他の団体をいう。

(2) 動物 法第44条第4項各号に掲げる動物をいう。

(3) 保管 動物を預かり、当該動物の健康及び安全を保持するよう管理することをいう。

(4) 飼養 動物に給餌及び給水(以下「給餌等」という。)を行い養い育てること(保管を含む。)をいう。

(5) 飼い主 動物の所有者(所有者以外の者が飼養する場合は、その者を含む。)をいう。

(6) 第一種動物取扱業者 法第10条第1項の登録を受けた者をいう。

(7) 第二種動物取扱業者 法第24条の2の規定による届出をした者をいう。

(8) 飼養施設 動物を飼養するための施設をいう。

(9) 周辺住民 飼養施設の周辺に居住する町民等をいう。

(実施事項)

第3条 町長は、この条例の目的を達成するため、次に掲げる事項を実施するものとする。

(1) 動物の適正な飼養環境及び第6条から第11条に掲げる事項を遵守できない飼養環境(以下、「不良な飼養環境」という。)の防止に係る情報提供、助言及び啓発事業に関すること。

(2) 不良な飼養環境の改善を図るための助言、指導その他必要な措置に関すること。

(町民等の責務)

第4条 町民等は、動物の愛護に努めなければならない。

2 町民等は、町長の行う動物の適正な取り扱いに係る助言、指導その他必要な措置の実施に協力するよう努めなければならない。

(飼い主等の責務)

第5条 畜産その他の正当な理由がある場合を除き、飼い主になろうとする者は、飼養しようとする動物がその命を終えるまで飼養すること(以下「終生飼養」という。)ができるか十分に考慮し、当該動物の生態、習性及び生理等(以下「習性等」という。)に関する知識の習得に努めるものとし、飼い主は、動物の終生飼養に努め、やむを得ず当該動物の終生飼養をすることができなくなった場合にあっては、新たな飼い主を見つけるよう努めなければならない。

2 飼い主は、飼養する動物の習性等を踏まえ、当該動物の健康及び安全を保持するよう努め、当該動物に対する飼い主としての責任を十分に自覚し、これを果たさなければならない。

3 飼い主は、動物を飼養するにあたり、周辺の生活環境及び自然環境(以下「周辺環境」という。)の保全に努め、当該動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないよう飼養しなければならない。

4 飼い主は、動物がみだりに繁殖して適正に飼養することが困難となるおそれがあると認める場合は、不妊又は去勢の手術、雌雄を分別した飼養、その他繁殖に関する適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

(飼い主の遵守事項)

第6条 飼い主は、その飼養する動物について、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 動物の飼い主を明らかにするため、首輪、名札等の装着により自己の所有に係るものであることを明らかにするために必要な措置を講ずること。

(2) 動物の種類、数、習性等に応じて必要な飼養施設を設け、適正な給餌等を行うこと。

(3) 汚物及び汚水を適正に処理し、飼養施設の内部及びその周辺を常に清潔に保ち、悪臭等の発生を防止すること。

(4) 公共の場所並びに他人の土地及び建物等を不潔にし、又は損傷させないこと。

(5) 動物の鳴き声等により、人に著しい不快の念を生じさせないこと。

(6) 動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずるとともに、当該動物が逸走した場合には、自らの責任により捜索し、収容すること。

(7) 地震、火災その他の災害が発生した場合は、動物を適正に保護管理し、当該動物による事故を防止すること。

(8) その他町長が必要と認める事項

(不適切な給餌等の禁止)

第7条 町民等は、飼い主不明の動物に対して給餌等を行うときは、適切な方法により行うものとし、周辺環境に悪影響を及ぼすような給餌等を行ってはならない。

(犬の飼い主の遵守事項)

第8条 犬の飼い主は、第6条各号に掲げるもののほか、その飼養する犬について次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 犬は、屋内又は柵、檻、塀等で囲まれた自己の所有地若しくは固定した物に綱又は鎖で確実に繋ぐなど、人の生命、身体若しくは財産に害を加えない場所又は方法により飼養、管理すること。ただし、次のからまでのいずれかに該当する場合は、この限りでない。

 警察犬、狩猟犬、盲導犬、介助犬、聴導犬その他使役犬をその目的のために使用するとき。

 人の生命、身体若しくは財産に害を加えるおそれのない場所又は方法で、犬を訓練し、又は運動させるとき。

 その他町の規則で定めるとき。

(2) 犬をその種類及び健康状態に応じて、適正に運動させること。

(3) 犬に適切なしつけを施し、特に飼い主の静止に応じるようにすること。

(猫の飼い主の遵守事項)

第9条 猫の飼い主は、第6条各号に掲げるもののほか、猫の健康及び安全を保持し周辺環境を保全するため、屋内において飼養するよう努めるものとする。ただし、やむを得ず屋外に出す場合には、不妊又は去勢の手術等の必要な措置を講じ、当該猫がみだりに繁殖することを防止することにより、周辺住民の理解を得られるよう努めなければならない。

(多頭飼養者の遵守事項)

第10条 飼養施設において飼養する動物(犬及び猫にあっては、生後90日以内のものを除く。)の総数が10以上となる飼い主(第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者(以下「動物取扱業者」という。)、その他町の規則で定める者を除く。)は、周辺住民からその種類、頭数、目的及び状況について説明を求められた場合には、正当な理由なく、その説明を拒んではならない。

(動物取扱業者の遵守事項)

第11条 町内で動物取扱業を営む動物取扱業者は、動物の飼養及び保管について、第6条に定める事項を遵守し、周辺環境の保全に配慮しなければならない。

2 動物取扱業者は、周辺住民から取り扱う動物の種類、頭数、飼養の方法その他当該動物取扱業に関する事項について説明を求められたときは、これを説明しなければならない。

3 新たに町内で動物取扱業を営もうとする者は、周辺住民に対し前項に定める事項について説明し、同意を得なければならない。このとき、周辺住民から要望があった場合は、協定書を交わすものとする。

(不良な飼養環境に関する情報提供)

第12条 町民等は、不良な飼養環境にあると思われる飼養施設を発見したときは、速やかに町長に情報を提供するよう努めるものとする。

(助言又は指導)

第13条 町長は、第6条から第11条に規定する事項を遵守していないと認められる飼い主、動物取扱業者(以下「飼い主等」という。)に対し、その飼養する動物の健康と安全を保持し、周辺環境の保全を図るために必要な限度において、飼養施設の構造、設備及び飼養の方法その他必要と認める事項に関し助言又は指導を行うことができる。

2 前項に規定するもののほか、町長は、飼い主等及び町民等から動物の飼養環境に関する相談を受けたときは、適正な飼養環境を備えるために必要な情報を提供し、助言することができる。

(勧告)

第14条 町長は、前条第1項の規定による助言又は指導を受けた飼い主等がこれに従わず、不良な飼養環境が引き続いていると認めるときは、当該飼い主等に対し、相当の期間を定め、必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(公表)

第15条 町長は、前条の規定による勧告を行ったにもかかわらず、当該飼い主等が正当な理由なくこれに従わないときは、町の規則で定める事項を公表することができる。

2 前項に規定する公表をしようとするときは、あらかじめ当該飼い主等に対し、白川町行政手続条例(平成9年条例第1号)第27条から第29条までに規定する方法により、書面による弁明の機会を与え、当該弁明に理由がないと認められる場合にこれを行うものとする。

(実態調査)

第16条 町長は、第13条に規定する助言又は指導及び第14条に規定する勧告を行うにあたり、その飼養環境を把握するため、当該飼い主等及び周辺住民その他関係者に対する聴取、飼養施設その他動物の取扱いに関係のある場所への立入検査及びその他必要と認める調査を町の職員(以下「職員」という。)に行わせることができる。

2 前項の規定による実態調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、調査対象者に提示しなければならない。

3 実態調査は、この条例の目的を達成するため必要な限度において認められた権限であり、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(支援を要する飼い主等に対する支援)

第17条 町長は、不良な飼養環境を生じさせた飼い主等が高齢、疾病又は障害等により不良な飼養環境の解消(以下「環境解消」という。)を自ら行うことができないことが明らかで、環境解消に関する支援(以下「解消支援」という。)を求めた者(以下「要支援飼養者」という。)であるときは、職員、自治会及びその他関係者と協力して、動物の適正な飼養環境及び周辺環境の保持に必要な限度において、その支援を行うことができる。

(解消支援の方法)

第18条 前条に規定する解消支援は、町の規則で定める方法により行うものとする。このとき、要支援飼養者の考えに十分配慮して行うよう努めるものとする。

2 要支援飼養者が抱える生活上の諸問題を解決するための取組については、第13条の規定を準用する。

(解消支援に係る費用の負担)

第19条 第17条に規定する解消支援を受けた者(町の規則で定める場合を除く。)は、これに要した費用を負担しなければならない。

2 前項の規定による負担金額は、町の規則で定めるものとする。

(専門的知識を有する者からの意見聴取)

第20条 町長は、第17条の規定による解消支援を行おうとする場合において、当該要支援飼養者が飼養する動物の習性等について専門的知識を得るため、又は判断を行うために必要があると認めるときは、専門的知識を有する者の意見を聴くことができる。

(岐阜県知事との協力)

第21条 町長は、法第25条第1項又は第3項に規定する環境省令で定める事態が生じていると認められるときは、速やかに岐阜県知事にこれを報告するものとし、同条第4項の規定により岐阜県知事から必要な協力を求められたときは、これに応じるものとする。

2 町長は第14条に規定する勧告に関し、岐阜県知事に必要な協力を求めることができる。

(委任)

第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、町の規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

白川町動物適正飼養条例

令和元年12月17日 条例第33号

(令和元年12月17日施行)