○みんなで創り・守り・育てる白川町地域公共交通条例

令和3年9月21日

条例第19号

地域公共交通は、この町で暮らし続けるために必要不可欠な町民の移動手段(おでかけの足)であり、持続可能なまちづくりを進める上で、欠かすことのできない重要なライフラインの一つである。

広大な面積を有する本町では、自動車(自家用車)への依存度が高く、今後、更に人口減少や少子高齢化が進展する中、移動手段を持たない高齢者の増加が予想され、地域公共交通が果たす役割を再認識し、積極的な利用促進を図る必要がある。

町外の高校へ通学する高校生や高齢者などの交通弱者をはじめとした町民等による地域公共交通の利用が増えることで、「誰もがいつでも気軽におでかけできる環境づくり」が進み、更には事業所等との連携による町内の賑わい創出や町外との交流による関係人口の創出にも寄与することとなる。

このような豊かで活力に満ちた白川町を実現するため、町民は、地域公共交通の意義を十分に理解し、積極的かつ継続的に関わっていく必要がある。

よってここに、町民をはじめとした地域公共交通に関わるすべての者が一体となり、将来にわたって持続可能な地域公共交通を創り・守り・育てるため本条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、本町における地域公共交通の基本理念及びその実現を図るため基本となる事項を定め、町の責務並びに町民、事業者及び公共交通事業者の役割を明らかにすることにより、本町の持続可能な地域公共交通の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 地域公共交通 町民の日常生活若しくは社会生活における移動又は観光をはじめとした本町を来訪する者の移動のための交通手段として利用される本町の区域内の公共交通をいう。

(2) 町民 町内に居住し、通学し、又は通勤する者をいう。

(3) 事業者 町内において事業又は活動を行う個人又は法人その他の団体をいう。

(4) 公共交通事業者 事業者のうち、次に掲げる者をいう。

 道路運送法(昭和26年法律第183号)による一般乗合旅客自動車運送事業者及び一般乗用旅客自動車運送事業者

 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)による鉄道事業者(旅客の運送を行うものに限る。)

(基本理念)

第3条 町並びに町民、事業者及び公共交通事業者は、地域公共交通の機能が将来にわたって十分に発揮されるよう、地域の特性に応じた地域公共交通のネットワークの構築、良質な運送サービスの提供の確保等を行うことにより、一体となって、本町の地域公共交通を創り、守り、育てていかなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、町民、事業者及び公共交通事業者の意見を聴き、第8条に規定する地域公共交通に関する基本施策(以下「基本施策」という。)を総合的かつ計画的に策定し、これを実施しなければならない。

2 町は、町民に対し、地域公共交通を積極的に利用することについての意識の啓発を行うよう努めなければならない。

(町民の役割)

第5条 町民は、将来にわたって持続可能な公共交通を実現するための担い手であることを自覚し、地域公共交通に対する理解を深めるよう努めるものとする。

2 町民は、地域公共交通を積極的に利用するよう努めるものとする。

3 町民は、地域公共交通に関する活動に主体的に参加し、基本施策の推進に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、その従業員に対し、地域公共交通を積極的に利用することについての意識の啓発を行うよう努めるものとする。

2 事業者は、その事業活動等において、必要に応じて地域公共交通を利用するよう配慮するものとする。

3 事業者は、基本施策の推進に協力するよう努めるものとする。

(公共交通事業者の役割)

第7条 公共交通事業者は、自らが運営する地域公共交通について利用状況を把握するとともに、町民の意見を十分に聴き、その運営に反映させるよう努めるものとする。

2 公共交通事業者は、社会的な役割を認識したうえで、地域公共交通の利便性を向上させるとともに、町、町民及び事業者に対し、地域公共交通の利用に関する積極的な情報提供等により、その利用を促進するよう努めるものとする。

3 公共交通事業者は、安全な運行に努め、基本施策の推進に協力するものとする。

(地域公共交通に関する基本施策)

第8条 町は、次に掲げる事項を地域公共交通に関する基本施策として推進するものとする。

(1) 町民にとって分かりやすく利用しやすい効率的な地域公共交通網の構築に関すること。

(2) 町民及び事業者の参画を促すため、持続可能な地域公共交通の環境整備に関すること。

(3) 自動車を運転することができない町民が、地域内で日常生活及び社会生活を送るために必要な移動手段の確保に関すること。

(4) 高齢化に伴う運転免許の返納とあわせて地域公共交通を積極的に利用することについての教育及び意識の啓発に関すること。

(基本施策の推進)

第9条 町は、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(平成19年法律第59号)第5条第1項の規定により策定する地域公共交通計画に従い、基本施策を推進するものとする。

(町民等への支援)

第10条 町は、基本施策を推進するため、町民、事業者又は公共交通事業者に対し、必要な支援を行うものとする。

(国等への要請等)

第11条 町は、必要に応じ、国等に対し、基本施策を推進するための要請又は提案を行うものとする。

(国等及び周辺地方公共団体との連携)

第12条 町は、基本施策を推進するために必要があると認めるときは、国等及び周辺の地方公共団体と連携を図るものとする。

(委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

みんなで創り・守り・育てる白川町地域公共交通条例

令和3年9月21日 条例第19号

(令和3年9月21日施行)