○白川町ハラスメント防止条例
令和6年9月9日
条例第15号
職場におけるハラスメントは、被害者の能力発揮を著しく制限するにとどまらず、当事者相互の信頼関係を破壊することにより、組織全体の円滑な業務遂行を阻害し、ひいては行政サービスの低下による町民への不利益をもたらしかねない重大な人権侵害行為である。
このような問題を発生させないためには、社会的規範に従い、ハラスメントに関する知識を深め、ハラスメントの防止に取り組むことで、良好な職場環境を確立しなければならない。
いずれも全体の奉仕者である町長等、町の職員及び議員は、本町の職場におけるハラスメントを防止し、健全で風通しの良い職場環境を確立することを決意し、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、職場におけるハラスメント防止のための措置及びハラスメントに起因する問題への被害者に配慮した適切な対応を行うことにより、町長、副町長及び教育長(以下「町長等」という。)並びに職員並びに町議会議員(以下「議員」という。)が、身分、職位及び職責にかかわらず、互いに信頼し、人権を尊重することで、もってそれぞれの能力を発揮することができる良好な職場環境を確立することを目的とする。
(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職(再任用職員、会計年度任用職員、臨時的任用職員及び任期付職員を含む、本町の業務に従事する全ての職員)をいう。
(2) 管理監督者 課長相当職で職員の管理監督の責任がある職員をいう。
(3) ハラスメント セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント、その他の誹謗、中傷、風評等により人権を侵害し、又は不快にさせる行為をいう。
(4) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により相手方に対して不快感を与える行為若しくはその行為によりその者の勤務環境を害し、又は勤務条件に不利益を与えることとなる行為をいう。
(5) パワー・ハラスメント 職務に関する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、相手方に対して精神的若しくは身体的な苦痛を与え、人格若しくは尊厳を害し、又は勤務環境を害することとなる行為をいう。
(6) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント 職場において、妊娠したこと、出産したこと若しくは妊娠若しくは出産に起因する症状により勤務することができないこと等を理由とする言動又は妊娠、出産、育児若しくは介護に関する制度若しくは措置の利用に関する言動によりその者の勤務環境が害されることとなる行為をいう。
(7) 職場 職員がその職務を遂行する場所(出張先その他職員が通常業務を遂行する場所以外で実質的に職場と同視すべき場所等を含む。)をいう。この場合において、勤務時間外の懇親の場等についても、実質的に業務の延長と考えられるものは、職場に含むものとする。
(町長等の責務)
第3条 町長は、職員がその能力を十分に発揮できる職場環境を確保するため、職員に対しハラスメントの防止に関する周知啓発を行い、ハラスメントに対応する相談、調査、審議等に関する体制を整備するとともに、ハラスメントに起因して職員の職場環境が害され、又は職員に不利益が生じた場合は、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
2 副町長は、町長を補佐し、前項に規定する措置等をともに実施しなければならない。
3 教育長は、教育行政の運営において、この条例の目的を実現するよう、その職務を遂行しなければならない。
(議長の責務)
第4条 議長は、議員がその能力を十分に発揮して活動できる環境を確保するため、議員に対するハラスメントの防止に努めるとともに、ハラスメントに起因して議員活動の環境を害され、又は議員に不利益が生じた場合は、ハラスメントを受けた議員に配慮しつつ、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
(議員の責務)
第5条 議員は、町民の代表者として、町政に携わる権能及び責務を自覚するとともに、常に高い倫理観を持ち、ハラスメントの防止に努めなければならない。
2 議員は、議員間のハラスメント又は議員から他者に対するハラスメントに当たる行為があると認める事態に遭遇したときは、当該行為を行っている議員に対し厳に慎むべき旨を指摘するよう努めるとともに、議長に対し当該事態を報告しなければならない。
(管理監督者の責務)
第6条 管理監督者は、職員の育成及び能力開発が責務であることに留意するとともに、職場におけるハラスメントの防止に努めなければならない。
2 管理監督者は、ハラスメントに起因する問題が生じた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
3 管理監督者は、苦情等の申出、調査への協力その他のハラスメントに対する当該職員の対応に起因して、当該職員が職場において不利益を受けることがないように配慮しなければならない。
(職員の責務)
第7条 職員は、他の職員に対し、職務遂行上の対等なパートナーとして互いの人権を尊重しなければならない。
2 職員のうち、係長職その他の職員を監督する立場にある者は、職場におけるハラスメントの防止に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合においては、管理監督者とともに必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
(ハラスメントの禁止及び説明責任)
第8条 町長等、職員及び議員は、ハラスメントが個人の尊厳を不当に傷つけ、人権侵害に当たることを理解し、他者に対しハラスメントを行ってはならない。
2 前項の者は、自らの行為がハラスメントの疑いがあると他の者から疑われたときは、自ら誠実な態度をもって事実を明らかにし、説明責任を果たさなければならない。
(研修等)
第9条 町長及び議長は、ハラスメントの防止を図るため、町長等、職員及び議員に対し必要な研修等を実施しなければならない。
(相談窓口の設置及び相談員の選任)
第10条 町長は、職員からの相談・苦情を受け、事実関係を調査し、必要な措置を行うため、人事担当課に相談窓口を設置する。
2 町長は、相談窓口に相談・苦情を受ける者(以下「相談員」という。)を置くものとする。
(相談・苦情の処理)
第11条 職場におけるハラスメントを受け又は目撃し、若しくは把握した職員又は他の者からハラスメントをしている旨の指摘を受けた職員は、相談窓口に対し、ハラスメントの相談及び苦情を書面、口頭又はこれに準じた手段により申し出ること(以下「申出」という。)ができるものとする。
2 申出は、現実にハラスメント事案が発生した場合に限らず、その発生のおそれがある場合も行うことができるものとする。
3 町長は、申出に対し、当事者、関係職員等への聴き取り等、事実確認等の調査を行い、適正に対処しなければならない。この場合において、申出に係る事案の当事者が町長等又は議員とされているときは、当該調査の結果について、第三者調査委員会の意見を聴いた上で、必要な措置を行わなければならない。
4 前項の場合において、申出に係る事案の当事者が議員とされているときは、当該申出について議長に報告し、協力して調査を行わなければならない。
5 申出に係る事案の当事者が町長とされている場合、この条例の規定による権限の行使は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第152条の規定に準じ、副町長等がその職務を代理する。
6 申出に係る事案の当事者が議長とされている場合は副議長が、議長及び副議長が共に当事者となった場合は議長及び副議長を除く年長の議員が、この条例に規定する議長の職務を代理する。
7 相談員は、申出に係る事案の内容、状況等から苦情処理委員会で処理することが適当と判断したときは、苦情処理委員会にその処理を依頼するものとする。
(苦情処理委員会)
第12条 町長は、前条第7項に規定する申出並びに町長が必要と認める申出に関し、適切な処理及び解決について審議するため、苦情処理委員会を設置する。
2 苦情処理委員会は、前項の申出に関する事実認定について調査審議するものとする。
3 前各項に定めるもののほか、苦情処理委員会の運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(第三者調査委員会)
第13条 町長は、第11条第3項後段に規定する申出及び町長が必要と認める申出に関し、適切かつ公平な処理及び解決について審議するため、法第138条の4第3項の規定に基づき、第三者調査委員会を設置する。
2 第三者調査委員会は、町長の諮問に応じ、前項の申出に係る事実認定について調査、検証及び審議し、その結果を答申するものとする。
3 第三者調査委員会の会議は、非公開とする。
4 第三者調査委員会は、調査審議に当たり、関係人から事情聴取等必要な調査を行うことができる。
5 第三者調査委員会は、申出に係るハラスメントが悪質又は緊急を要すると判断した場合は、原因究明及び再発防止のための措置に関し、町長に意見を述べることができる。
6 前各項に定めるもののほか、第三者調査委員会の運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(プライバシーの保護及び秘密の保持)
第14条 相談窓口の相談員、苦情処理委員会及び第三者調査委員会の委員その他申出に関する業務に携わる職員は、ハラスメントの当事者及び関係者のプライバシーに十分配慮し、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(不利益取扱いの禁止)
第15条 町長等、職員及び議員は、ハラスメントに関する相談等を申し出たことを理由として、当該職員に対し不利益な取扱いをしてはならない。
(1) 町長等及び議員 公表
(2) 職員 地方公務員法第29条の規定による懲戒処分等
(委任)
第17条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。