○白川町環境条例
平成21年3月10日
条例第2号
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 豊かで快適な環境の保全及び創出に関する基本的施策(第8条―第16条)
第3章 公害発生源の規制(第17条―第20条)
第4章 地域環境を阻害する行為の制限(第21条―第25条)
第5章 白川町環境審議会(第26条―第31条)
第6章 雑則(第32条―第37条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本町の環境の保全及び創出に関し基本理念を定め、町民、事業者及び町の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創出に関する施策の基本となる事項を定めることにより、その総合的推進を図り、もって現在及び将来における町民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(1) 豊かで快適な環境 きれいな大気、水、森林、土壌等の多様な自然並びに歴史的又は文化的遺産に恵まれた香り高い文化及び良好な景観等を有し、かつ、町民が住みやすさ及び心の豊かさを感じることができる環境をいう。
(2) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障又はその原因となるおそれのあるものをいう。
(3) 公害 前号の環境の保全上の支障のうち、事業活動その他人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態及び水底の低質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の採掘のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に被害が生ずることをいう。
(4) 特定施設等 公害を発生させ、又はそのおそれのある施設及びその施設を有する工場又は事業場をいう。
(5) ペット霊園等 犬、猫等人に飼育されていた動物(以下「ペット」という。)の死骸の火葬を行う施設、ペットの死骸を埋葬する施設、ペットの焼骨を埋蔵若しくは収蔵する施設及びこれらの施設を併せ有する施設、人の死体(妊娠4箇月以上の死胎を含む。)若しくはペットの死骸の焼骨を砕く若しくはすりつぶす等をした後撒く場所、残骨を処理する場所並びに不要となった墓石等を処理する場所をいう。
(6) 開発事業等 岐阜県土地開発事業の調整に関する規則(平成12年岐阜県規則第44号。以下「県規則」という。)第3条に規定する土地開発事業又は白川町自然保護条例(昭和47年条例第4号)第5条に定める自然地域内において、開発区域の面積が3,000m2以上の事業及び事業開始後3年以内に同一事業者(事業を引き継いだ者を含む。)が隣接区域において事業を施行する場合で、合算した開発区域の面積が3,000m2以上の事業若しくはこれに準ずる事業をいう。ただし、県規則第3条の規定により除くもの及び町長が別に定めるものを除く。
(基本理念)
第3条 豊かで快適な環境の保全及び創出は、人と自然が共生する社会において町民が良好な環境の恵沢を享受するとともに、これを将来の世代へ継承して行くことを目的として行わなければならない。
2 豊かで快適な環境の保全及び創出は、大気、水、森林、土壌等からなる環境を良好な状態に保持することにより、健康で安全かつ快適な生活を確保することを目的として行わなければならない。
3 豊かで快適な環境の保全及び創出は、環境への負荷を低減することその他の行動に、すべての者が自主的かつ積極的に取り組むことによって行わなければならない。
4 豊かで快適な環境の保全及び創出は、すべての事業活動及び身近な日常生活において積極的に推進されなければならない。
(町民の責務)
第4条 町民は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境が日常生活に密接に関わっていることを認識し、豊かで快適な環境の保全及び創出に積極的に努めるとともに、環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、町民は、基本理念にのっとり、町が実施する豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を使用するように努めなければならない。
4 前3項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他豊かで快適な環境の保全及び創出に自ら努めるとともに、町が実施する豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(町の責務)
第6条 町は、基本理念にのっとり、豊かで快適な環境の保全及び創出を図るため、地域の自然的及び社会的条件に応じた基本的かつ総合的な施策を策定し、並びに実施するよう努めなければならない。
2 町は、その施策の策定及び実施に当たっては、環境への負荷の低減並びに豊かで快適な環境の保全及び創出に積極的に取り組まなければならない。
(共通の責務)
第7条 何人も、法令等に違反しない場合であっても、町民の生活環境を妨げないよう努めなければならない。
第2章 豊かで快適な環境の保全及び創出に関する基本的施策
(環境基本計画)
第8条 町長は、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境基本計画を定めなければならない。
2 町長は、前項の環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を定めるに当たっては、町民の意見を反映することができるよう配慮するものとする。
3 町長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ第5章で定める白川町環境審議会の意見を聞かなければならない。
4 町長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なくこれを公表するものとする。
5 前3項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(環境基本計画との整合)
第9条 町は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図るものとする。
(環境教育、学習の推進等)
第10条 町は、町民、事業者、環境保全団体及びこれらの者の組織する団体(以下「町民等」という。)が豊かで快適な環境の保全及び創出についての理解を深め、併せて町民等の豊かで快適な環境の保全及び創出に資する活動を行う意欲を高めるため、環境に関する教育及び意識の啓発の推進を図るものとする。
2 町は、町民等が豊かで快適な環境の保全及び創出に関し理解を深めるための活動として、体験型環境学習の機会等の積極的な提供に努めるものとする。
3 町は、環境に関する教育及び意識の啓発の推進を行う者に対し、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する指導を行うことができる人材又は情報の提供その他必要な支援を行うよう努めるものとする。
(自発的な活動の促進)
第11条 町は、町民等による豊かで快適な環境の保全及び創出のための自発的な活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(規制の措置)
第12条 町は、豊かで快適な環境を保全及び創出するため、公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講ずるよう努めるものとする。
(誘導的措置)
第13条 町は、環境の保全上の支障を防止するため、町民等が自らの行為による環境への負荷を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動に対し、その負荷の低減のための施設の整備その他適切な措置をとるよう誘導することに努めるものとする。この場合において、特に必要があると認めるときは、適正な助成その他の措置を講ずるものとする。
(調査、監視等)
第14条 町は、環境の状況を的確に把握し、及び豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策を適正に実施するために必要な調査、監視、測定及び検査等の体制の整備に努めるものとする。
(環境への負荷の低減)
第15条 町は、環境への負荷の低減を図るため、町民及び事業者による資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
2 町は、環境への負荷の低減を図るため、町の施設の建設及び維持管理その他事業の実施に当たっては、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(広域的連携)
第16条 町は、豊かで快適な環境の保全及び創出について広域的な取組を必要とする施策に関して、国、他の地方公共団体及び民間団体等と協力して、その推進に努めるものとする。
第3章 公害発生源の規制
(公害の防止)
第17条 何人も、法令等で定める規制又は基準(規制又は基準のないものについては、人の健康又は生活環境に障害を及ぼすおそれのない程度)に適合しないばい煙、粉じん、有害ガス、汚水、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭等を排出し、又は発生させてはならない。
2 何人も、医療機関が所在する場所の近隣においては、特定施設等を設置し、又は使用してはならない。
3 何人も、地域住民の同意を得てからでなければ、自然公園地域内においては、特定施設等を設置し、又は使用してはならない。
(騒音又は振動に係る規制)
第18条 騒音又は振動に係る特定施設等を設置しようとする者は、規則で定める規制及び基準を遵守しなければならない。
2 騒音又は振動に係る特定施設等を設置しようとする者は、設置工事の開始の日前30日までに、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を町長に届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名
(2) 特定施設等の名称及び所在地
(3) 特定施設等の種類及び能力ごとの数
(4) 公害の防止の方法
(5) その他規則で定める事項
(悪臭に関する規制)
第19条 何人も、飲食物の調理、愛がんする動物等の飼養その他日常生活における行為に伴い発生する悪臭により、地域住民の生活環境が損なわれることのないよう努めなければならない。
2 工場その他事業場における事業活動に伴って発生する悪臭は、その事業者が、規則で定める規制基準を許容限度として、必要な悪臭防止対策を行うものとする。
(説明会の開催等)
第20条 特定施設等を設置し、又は使用しようとする者は、当該事業予定地が属する自治会等に対して、事業の内容及び環境に対する影響等について、説明会を開催することにより、当該施設の設置又は使用について、地域住民の理解を十分得るよう努め、同意を得なければならない。
2 特定施設等を設置し、又は使用しようとする者は、前項の規定による説明会を開催したときは、町長に報告しなければならない。
3 特定施設等を設置し、又は使用しようとする者は、地域住民から要望があった場合は、関係者と協定書を締結するものとする。
4 前項の協定について、特定施設等の施設、土地等を売買する場合又は譲渡する場合は、次の権利者に同様の協定内容を引き継ぐものとし、契約前に規則で定めるところにより町長に届け出なければならない。
第4章 地域環境を阻害する行為の制限
(土地の区画又は形質の変更の制限)
第21条 土地の区画又は形質の変更を行う者は、環境の保全及び災害の防止のために必要な措置をしなければならない。
(焼却の禁止)
第22条 何人も、みだりに廃棄物等を焼却してはならない。ただし、法令等に規定する焼却禁止の例外規定又は適正な処理方法により燃焼させる場合は、この限りではない。
(ペット霊園等の設置の制限)
第23条 ペット霊園等を設置しようとする者は、あらかじめ、町長の許可を得なければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を町長に提出しなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 名称
(3) 設置の場所
(4) 設備の処理能力
(5) 位置、構造等に関する計画
(6) 維持管理に関する計画
3 前項の申請書には、規則で定める書類を添付しなければならない。
4 ペット霊園等の設置については、規則で定める基準に適合しなければこれを許可しない。
(説明会等の開催)
第25条 ペット霊園等を設置しようとする者は、当該事業の予定地の属する自治会等に対して、事業の内容、環境に対する影響等について、説明会を開催することにより、当該施設等の設置について、地域住民の理解を十分得るよう努めなければならない。
2 ペット霊園等を設置しようとする者は、当該事業の予定地の属する自治会等及びペット霊園等の設置に係る土地の隣接土地所有者の同意を得なければならない。
3 ペット霊園等を設置しようとする者は、第1項の規定による説明会を開催したときは、町長に報告しなければならない。
第5章 白川町環境審議会
(設置等)
第26条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、白川町環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、町長の諮問に応じ、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する基本的事項並びに重要事項を調査及び審議し、その意見を答申する。
(組織)
第27条 審議会は、委員10人以内をもって組織する。
2 委員は、次に掲げるもののうちから町長が委嘱する。
(1) 学識経験を有する者
(2) 町民代表
(3) 農林商工関係者の代表
(4) その他町長が必要と認める者
(委員の任期)
第28条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(会長及び副会長)
第29条 審議会に、会長及び副会長1人を置き、委員の互選により定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(会議及び議事)
第30条 審査会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集する。
2 会議は、委員の過半数が出席しなければ、開くことができない。
3 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(関係者の出席)
第31条 会長は、必要があると認めるときは、関係者を会議に出席させ、説明若しくは意見を聴き、又は資料の提出を求めることができる。
第6章 雑則
(報告)
第32条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、特定施設等(この章において、ペット霊園等を設置している者並びに自然環境及び生活環境を悪化させるおそれのある者を含む。)に対して必要な事項の報告を求めることができる。
(立入検査等)
第33条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、関係職員に特定施設等に立ち入り、関係書類、施設その他の物件を調査させることができる。
2 前項の規定による立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(協定の締結)
第34条 開発事業等について、町長が良好な生活環境の確保を図るため、必要があると認めるときは、事業者は、当該事業の着手前に、白川町土地開発事業等に関する協定を町長と締結しなければならない。
(被害の補償)
第35条 開発事業等の施行により第3者に被害が生じたときは、すべて事業者の責任において補償しなければならない。
2 事業者は、工事施工の起因により公共施設を損傷したときは、自らの責任においてこれを修復しなければならない。
(紛争の処理)
第36条 開発事業等の施行に伴い発生する第3者との紛争は、すべて事業者の責任において解決しなければならない。
(委任)
第37条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成21年4月1日から施行する。
(ペット霊園等に関する経過措置)
3 この条例の施行の際現に存するペット霊園等については、この条例の適用を受けない。ただし、当該ペット霊園等についてその内容を変更しようとするときは、この条例の適用を受けるものとする。
(白川町非常勤の特別職職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
4 白川町非常勤の特別職職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和39年白川町条例第15号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(令和元年8月8日条例第23号)
この条例は、公布の日から施行する。